ぐいっ


ぽろぽろこぼれる涙を頑張ってぬぐって
いると、手をいきなりぺーたに握られた。



ゆっくりとぺーたのぬくもりが伝わって
くる。



まだ涙はとまらない。



でもぬぐうひまもなくて、ただぺーたを
見つめた。



いきなりの事で、言葉が喉から
でてこない。




ぺーたを見つめることしかできなかった。



「ごめん。泣いてるひよ見たらいても
たってもいられへんくなった。」




ほら…



こういう優しいとこ。




全然変わんない。





2年前から君をずっと見ていて。





全然変わんない。


ぺーたはいつも笑顔だけど、今は違う。
多分誰にも見せたことがないような
真剣な顔をしていた。




「うん。わかってたから…あやまらん
といて。最後やし、笑って終わりたい
やん。」



笑おう。




心からの笑顔を最後に。




「うん…」



私はうそをついた。



笑って終わりたい。
これはほんと。


わかってたから。
違う。どっかで期待してた。



でもお願い、どうかこのうそだけは
許してください。




私は大きく深呼吸をしてぺーたに伝えた。



「じゃあせーので笑うで!」


「おうっ」



「「せーのっ‼︎」」


私は心からの笑顔を君に届けた。




そしてぺーたも私のあの大好きな笑顔を
見せてくれた。