学校での昼休み。仲間で弁当を食べていた。


「隣のクラスの伊集院。超怖くね~。昼休み屋上でタバコ吸ってたら、頭ひっぱかれてよ。女子なのに怒りっぽく乱暴で、男勝りだぜあいつ。」

遠藤が伊集院のまねをしてそう話した。

周りの奴を楽しくするお調子者だ。


「ぜってぇ、彼氏いないぜ。あいつ。男と仲良くしてんの見た事ねぇもん。」

鈴木が同調して言った。

鈴木はバカだが、スポーツは万能だ。


「そうだよな。慶介もそう思うだろ?」

足立がそう促す。足立の両親は学校の先生だが、

足立はその遺伝を受け継いでいない。

唯一受け継いでいる部分とすれば派手なだてメガネくらいだろうか。


「あいつは確かに関わりたくねぇよな。そんな事よりももっと面白いものあるぜ。
これ見ろよ。」

慶介はそう言うと、朝拾ったメガネケースをみんなに見せた。


「ただのメガネケースじゃねえか。どこが面白いんだよ。」

唯一メガネをかけた足立が即座に言った。


「まぁ、待てよ。中のメガネが凄いんだぜ。ほら!周りの縁が虹色になってるぞ」

慶介はメガネケースを開けて、メガネをみんなに見せた。


「確かに…すごい色をしてんな。なんかの記念品で作ったのか?」

足立は興味深く見ている。


「慶介、こんな物おまえよく拾ってくるな~。」

と言いながら、鈴木はメガネをかけてピースをした。「似合ってる?」


「おまえ似合ってねぇわ。悪質なファッションコーディネーターに見えるぜ。」

と遠藤が言った。


「うっせぇ。」と鈴木は遠藤の頭をはたき、みんなで大笑いした。