それは信じられない光景だった。

「なに、このクラスの面々!
顔でクラスを決めたの?」

「お前、なに言ってんだ?」

よく見れば私の周りの生徒全員がマジで凄い美女美男子ばかり!
よくも、これだけ揃ったわね、と思う位のレベルだった。
ふと彼に近寄って耳に囁いた。

「あなた相当モテるでしょ?」

「お前、今、なんて言った?」

そう言うと彼も私の耳の近くまで顔を寄せて小声で答えた。

「俺は全然モテねぇよ!」

「嘘!」

「嘘じゃ無ぇって!」

「ホントに?信じられないわ!
絶対モテてそうなのに…」

「俺がモテようがモテまいが
そんなのドッチでもいいじゃん?
お前には関係、無いだろ?」

「それは、そうだけど…」

2人でヒソヒソ話を繰り返して。
そしたら彼がドスを効かせた声で信じられない言葉を私に告げた。

「お前、俺に惚れるなよ?」

「な、な、なんですって?
うぬぼれるのもいい加減にして!
なんで私があなたに惚れるのよ?
今のは普通の世間話でしょ?」

つい語気が強くなって叫んだ。