彼の放った言葉を耳にした周りの生徒らが一斉に私の顔を見た。

「あなた、知らないの?
彼女が王女様だって事。」
「やっぱ新入りさんなのね?
私たちは姫って呼んでるけど?」
「彼は、この地区の番長よ。
気安く話し掛けていい人じゃ
無いんだからね!失礼よ!」

口々に新参者や新入りと言われて更に番長だから気安く話し掛けて失礼とまで言われては返す言葉が見つからず黙った。

だって新入りって事は百も承知で嘘じゃ無いにしろ、理由を誰かに求めても答えを教えてくれない。
再び横に居た男子生徒を見た。

「なんだよ、その目はよ?
文句、あんのかよ?」

「別に?それに睨んで無いし…」

「俺に答えろってか?」

だからウンウンと頷いてみせた。
よくよく男子生徒を見ると…

「あなただって…」

「俺が、なに?」

「ってか、超イケメンじゃん!」

「はぁ?何だよ、いきなり!」

顔を見ると照れてリンゴのように真っ赤っかになってた。

「言われるの初めて?
茹でタコみたいに真っ赤よ?」

「タコとは何だよ、タコとは!」

それには答えず周りを見渡した。