「おっはよ~信也~」
そんなのん気な挨拶をしてきたのは近所に住む幼なじみの女子だ。
腐れ縁という言葉は失礼だろう。ルックス良いし。

「お、真希菜さん」
「大おはおは~」

大とも挨拶を交わすこの少女。
少女かどうかはさておき、彼女の名前は春日野真希菜。
テストで名前を書くときは大変そうだ。
勉強は出来るが運動は今一つ。しかしそのルックスでそんな事は帳消しである。

比較的真面目だがどこか抜けている人物だ。

「信也に大は数Ⅱの宿題やってきた?」

「「やってないが(キリッ)」」

俺と大はハモる。

「てか、大が宿題やって来ないとか珍しいな。何かあったのか?」

「いや~、今日の3時までネトゲやっててな。正直面倒臭くなった。」

「信也はともかく大まで忘れるとは…!!今日は何かあるんじゃないかしら…!?」

馬鹿なの?
真希菜さんや。
それと大はかなりのゲームオタクだったりするがこれを知る人物は少ない。

「あっ、因みに~…」
真希菜が少し怪しい笑みを浮かべる。

「ん?」

「今日の宿題出さない奴は数Ⅱの平常点0だって~」

「「!!!!!???」」

これはヤバい。

なんたって俺は数学が苦手だ。
定期テストで数学は赤点。平常点を足して初めて赤点から回避されるのだ。

それが無くなるとか冗談じゃない。

大の方は成績トップを取り続ける人物だ。
平常点が0点とは痛いだろう。

「私は宿題見せないからね~」と手を振って女子グループの所に去っていく。

「大!!」
「応よ!!」
こういう時の男という生き物は団結するのだ!!

「数学までの時間は!!」
「3限目だから約3時間ってとこだぜ信也!!」
「今回は頼っていいか?」
「帰りに何か奢れよ?」

そんなやり取りをして俺と大は宿題に取り組んだ。
皆はちゃんと家でやろうな?