もう……無理。


ガタンッ


座っていたイスから勢いよく立ち上がり、カバンを肩にかける。


「わりぃ、もう帰っから。」


そう言って、昇降口に向かった。


俺が出た教室からは、えーとか、待ってとかって聞こえるけど、無視。


あーあ…あいつに会いてぇ。


俺だけに笑ってほしい。


…とかいいながら、今まで話しかけられなかったのも事実なんだけど。


俺、勇気ねぇなっていつも思う。


明日こそ、話しかけてみよ。


そう心に決めた時。


「真人ーー!!待ってぇ!!」


この声…柚月だ…