ポツン、ポツン… ザァーーーーー……… 突然の強い雨に、ゆっくりと俯いていた顔をあげ 無意識に上を見上げる。 いつもより冷たく感じる水滴が、頰を伝い涙のように落ちていく。 耳には、もう今朝の心地よい騒がしさなんて入ってこない。 聞こえるのは、無情にもどんどん降り続ける雨音だけ。 …ふと唇に落ちてきた水は なぜだかとてもしょっぱかった。