「…ごめん、琴葉。…別れよう。」


や…っぱり…ね。


「勝手でごめん。自分から告っといて…

…俺さ、忘れられない人がいるんだ。今まで意識してなかったのに、この頃すごく思い出す。

今日だって、琴葉とのデートなのに頭に浮かんできて…」


その忘れられない人って、例乃葉の事…だよね。



「その人が、すごい好き…なんだね?」


「!…うん。」


「そ…っかぁ。その人の事、大切にしてね。…真人。今までありがとう。」


言えた…


“ありがとう”って、泣かないで言えたよ。


「ほんとにごめんな…俺こそありがとう。」