『どうしたの?』

誰かが、私に向かって言う。


だれ…なの…??


なぜか上の方がぼやけていて、顔だけが見えない。


『それなら、そこの角を左に曲がればすぐだよ。』


そう言って、目の前の人は


私に優しく微笑んだ。


あれ、この笑顔………


それに、この声………


…まさ…と…??


この前私の家に送ってくれた時みせてくれた


『おう!』


こう言ったときの真人の笑顔と


頭の中の優しい笑顔が


ぴったりと重なった。