目の前にいた例乃葉は、今の私のひどい顔にびっくりしたのか、こっちをみて動かなくなってる。


ひかれる…


不安になって、下を向いた瞬間。


「バカっ!」


そう言いながら、例乃葉が抱きついてきた。


「例乃葉…?」


「………で…………よ。」


「え?」


「なんで言ってくれなかったのよお!!」


首元に、なにか冷たいものが伝う。


例乃葉……泣いてるの…?


「なんで一人で溜め込むのよ!!風邪なんて嘘ついてさぁ!…それとも、私のことが信用できないの…?」