翌日も身体のだるさは一日引きずったものの、無事放課後を迎えた。

「ねぇ、絹もたまには一緒に出かけよ」

「駅の近くにかわいいお店ができたんだって」

友人が情報誌を片手に声をかけてくれた。

「でもいきなり倒れたら迷惑になっちゃう…」

「ここね、カフェと併設だから疲れたら座ってたらいいよ。美味しいケーキ食べながらね」

「絹は行きたい?」

あたしの病気のことを知りながらも普通に接してくれて、時に手を差し出してくれる彼女達の存在が本当にありがたい。

こんな風に過ごせるのも、あと少しかもしれない。それなら…

「行きたい…!」

昨日みたいに暗い気持ちでいたら、益々病気も悪くなっちゃう、そんな気がした。

貴も何とか説得して、久しぶりに街に繰り出した。

放課後に友達と話しながら寄り道をする。

そんな当たり前のことが今のあたしには何より新鮮で、とても嬉しかった。

昨日までの悶々としていた気持ちも気だるさも、いつの間にか取り除かれていた。