私は車とぶつかり(跳ねられたとも言う)、病院に運び込まれ 丸一日眠っていたらしい。

悠耶は私を避けていたけれど親に事情を聞き、付き添っていてくれたようで

それで“図書館の彼”はお医者さんで…

たった一日のことなのに、一度にいろんなことが起こりすぎて頭が混乱してしまう。

「取り敢えず今はゆっくり休んで。積もる話は明日ね」

その様子に気がついたのか彼がそう言う。

悠耶はまた来るねと言い残し、病室を後にする。

「あの私は」

「全身打撲と肋骨のヒビ。暫く入院して様子みよう?」

所々に巻かれた包帯は痛々しく、事故の悲惨さを物語っていた。

…でも、これはチャンスかも?

“図書館の彼”もとい、先生と一緒にいれるんだもん。

でも医者と患者て禁断の恋で禁止なんだっけ?

その前に出会ってるならセーフかな?

いやいや、こんな高校生 相手にはしてくれないでしょ?

そもそも彼女さんらしき人いたし…

“恋多き女”だけあって、包帯で巻かれた私の頭の中は怪我のことではなく、彼のことで溢れていた。