「ハハ、バレちゃったか。今は休業中なんだけどね」

「何で?」

「単純に免許がないから」

…… え?

一瞬頭が真っ白になった。

たった今、あたしに点滴をしたこの人は無免許?

「本物のブラックジャック…?」

あまりに混乱しすぎて、とてつもなく間の抜けた質問をしてしまう。

しかし、それに乗っかるように兄も

「かもね」

と、いたずらっ子の顔をして笑ってみせた。

本当に掴めない。

すると今度は彼からの質問が飛ぶ。

「俺からも一つ聞いていい?その傷のこと」