どのくらい眠っていたのだろう。

次に目を覚ました時、腕には針が刺してあった。

神谷先生を呼んでくれたのかな?

チューブを目で辿っていくと針金ハンガーの先に点滴が固定されている。

家だから手作り感あるけど、身体はさっきより格段に軽く感じる。

「気がついた?貴はバイトだって」

聞いてないし…

「神谷先生が来てくれたの…?」

「ん?何の話?」

この人はどこまでとぼけるんだろう。

「だって点滴…」

「あ、もう終わるね」

何事もなかったかのように手慣れた手つきで針を抜く兄。

信じたくはないけれど いや、でもかなりの確実で 恐らく メービー…

「もしかしてお医者さん…?」

血痕のついたシャツ、キャンディ、パパの手帳、そして点滴 。

全ての点が一つの線でつながる。