『きぬかちゃんといると、こわーい』

何の気なしに言い放たれたクラスメートからの言葉。

いつ発作が起きるか分からない“爆弾所持犯”と遊ぶにはまだみんな幼すぎた。

あの頃はあたし自身、自分の身体や病気のことを把握していなかったのに

まして友人達が扱い方を理解しているはずがない。

ただ怖がられて気がつくといつも一人ぼっちだった…



「薬って今ある? 横になる方が楽かな?」

背中をさすりながら兄が尋ねる。

この人の場合、ズカズカ立ち入りすぎて逆にこっちが不安になる。

「う~ん、どうすっかな」

そう言いながらフラフラどこかに消える彼。

…見捨てた!?

だから同居はイヤだったのだ。

みんな怖がるだろうし、困らせるだけ… 彼以外は。

そんなことを考えながら、再び意識を手放していた。