「Kai, Hurt. Stop it!」
(カイ、痛い!やめて…)

彼女の訴えを背中越しに聞きながらも賑やかな会場とは真逆の方向に足を進める。

「Kai, where will you…」
(カイってば!どこに行…)

立ち止まった先は普段授業で使われている教室だった。

少年は周りに人がいないことを確認するとドアに鍵をかける。

そして彼女と向き合うと呆れた顔で問いただした。

「You are not Jaila. Right?」
(君はジェイラじゃない、ジュリだろ?)

「Why did you find…?」
(何で分かったの…?)

「…Different face」
(…顔が違うよ)

驚いた彼女に更に言葉を続ける。

「And everyone call me “Ken”. You only know my REAL name.」
(それにね、みんなは僕のことをケンて呼ぶ。本当の名前を知っているのは君だけなんだよ)

「You only find me…」
(あなただけがあたしを見つけてくれた…)

そう話す彼女の顔は満面の笑みで溢れていた。