「Hi, Ken and Jaila!」
(やぁ、ケンにジェイラ!)

「The dress is so cute!!」
(素敵なドレスね)

「Awww, thanks」
(あ、あの ありがと)

口々に褒められ 照れている彼女を面白くないと言わんばかりの顔で彼はその光景をただ眺める。

すると、ジェイラに好意を向けているブライアンまで彼を押しのけて声をかけてきた。

「Well, princess. Will you dance with me?」
(お姫様、1曲お手合わせ願えますか?)

まるで王子とでも言わんばかりにひざまずき差し出される手に困惑する彼女。

「Sorry, she is my partner today」
(悪いけど、今日は俺の物だから)

一番驚いたのは他の誰でもない、彼自身だった。

何でこんなことをしてしまったのだろう…

気がつくと姫の手を引き、生徒達を掻き分け 会場を後にしていた。

しかし この行動が運命の歯車を狂わせてしまうなんて誰が思っただろう。