そうだ、あの写真のことをママなら知っているはずだ。

恥ずかしいし、ましてラジオのネタとして使われるかもしれないと

親子で恋愛の話題は今まで避けて通って来たけれど、そんなこと言っている余裕はもうない。

それ以外、彼を探し出す術がないのだから…

「ママはその男の子が誰か知ってる…?今、彼はどこにいるの…?」

ふぅと吐息を漏らすとママは諭すように言葉を続けた。

「…気がつかない?あんたの傍にいつもいるじゃない?」

やっぱりあの二人のどちらかが…?

薄々感づいてはいたけれど、確信はもてなかった、いや改めて確認するのを恐れていた。

けして二人が嫌だからじゃない。

ただあたしの中で“お兄ちゃん”の存在が大きすぎただけで…

「恒輔がいなくなったのを甲斐くん、ずっと自分のせいだって思っていたのね」

「じゃあ、甲ちゃんが…?!」

「話はまだ終わってないから、先走らない。

確かに甲斐くんはほとんどアメリカにいたし、貴弘くんは“お兄ちゃん”にしては年が近い…

そこが引っかかってるんでしょ?」

そう。きっと今の彼は甲ちゃんと同じくらいの年になっていると思う。

だけど、あんなにもタイミングよくあたしを助けてくれて支えてくれることがアメリカにいた甲ちゃんにはできるの…?