「つーかさ、アレに任せていいわけ?恋愛持ち込むと辛いのはお前だぞ?」

「何のこと?」

「好きなんだろ?兄貴のこと」

え… ?

思いがけない言葉に少し間が生じる。

「あたしは“お兄ちゃん”のことが」

「アホか。一目瞭然なんだよ… 第一、ずっと同じ相手を好きでいる必要なんてないんだし」

そりゃそうだけど、急に言われても自分が一番自分の気持ちを分からないんだもの。

「でも甲ちゃんには彼女さんが」

いると思う。

椎名先生みたいな、病弱で子供っぽいあたしなんかより、彼の隣にいるのに相応しい人…

「あんなおうち大好き人間に彼女なんていると思うか?休みなんて、大概家じゃん?

友達がいるかどうかも怪しいもんだぞ?」

確かに休みの日はおうちでのびてる。もしくは劉慈さんのお店

「…いやいやいや、だって医者と患者て王道の禁断の恋だよ?」

「恒兄と織依さん見てから言えよ…」

「あ…」

昔の人は良く言ったもんだ、“灯台下暗し”と…