お散歩(と呼べるかは疑問だけど)が終わって病室に戻るときだった。

「明日、早速カテーテルしようか?」

甲ちゃんの口から飛び出したそれはあたしの大嫌いな検査。

「…いや」

ワガママを言っていることは十分すぎるくらい分かってるけど、

針刺して心臓まで管入れるなんて怖すぎる…

前やった時もしばらく血が止まらなかったんだもん。

「説明の手間省けるし、やっぱ絹はやりやすいな」

どうせ、常連ですから…

それにあたしが拒んだ所で強行突破することも容易に想像がつく、常連だから。

「記念撮影みたいなもんだから、かしこまらくても大丈夫だよ」

何の記念よ? 他人事だと思って…

案の定、翌日 あたしの意志に反して “刑が執行された”…