翌日も絶対安静のあたしは部屋で雑誌を読んだり、貴が貸してくれたゲームをしたり…

だけど何をしてもすぐ退屈してしまう。

ここが病院で 尚且つ一人部屋だからかもしれない。

頼みの綱の甲ちゃんは忙しいのか、今日は一度も顔を合わせていない。

今頃学校ではみんな脳内夏休みモードで浮かれているんだろうな…

でもあたしも身体が治りさえすれば、後半戦は期待できるんじゃない?

きっとまだ暑いから海も入れるよね… でも水着だと傷口見えるかな。

だったら浴衣… て、お祭りはその頃はほとんど終わっちゃってるかも。

扉をノックされる音がして、現実に引き戻される。

「…学校じゃなかったの?」

「家庭の事情ってやつ」

「あたしを言い訳にしないでね」

そう言いながらも あたしには同居人の思いがけない来訪が嬉しかった。

「お前の担任から。お見舞いと言う名の課題」

そこはフルーツの盛り合わせじゃないの?センスなさすぎ。

「それから…」

バンっと机に置いたのは紛れもないあの時のアルバムだった。