次に目を覚ました場所は慣れないベッドの上、手には点滴のおまけ付きだ。

「絹~!よかったぁ… 本当に心配したのよ?!」

普段はあまり甘やかしたり特別扱いしないママだけど、身体のことになると ものすごい心配症になる。

絹香までいなくなると一人ぼっちになるでしょ?と以前寂しそうに話していたのをふと思い出す。

「ママ… 大丈夫だよ」

「嘘!大丈夫じゃなかったから病院なんでしょ?そんな青い顔して説得力なさすぎるのよ」

そりゃあ、そうだ…

「違和感を感じるようになったのはいつから?」

白衣の甲ちゃんはお医者さんモードに切り替わり、問診が始まる。

「昨日の夜…」

「何で早く言ってくれなかったの?」

言えるわけがない…

あの写真が事実なら甲ちゃんは… えっと… 更に義理のお兄ちゃん?になるのだから。

「ゴメンナサイ。今日みたいになるなんて思わなくて…」

顔を合わせることも出来ず、うつむきながら答える。