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目を覚ました時は病院のベッドの上だった。

身体がスースーすると思ったら案の定、はだけてるし…

扉の向こうからは誰かの話し声が聞こえてくる。

耳を澄ませて聞いていると、1人は恐らく甲ちゃん。

「手は尽くしたのですが…」

“手は尽くした”て、あたしのこと?

じゃあ、ここにいるあたしは何?!

身体がまた別の所にあるとか!?

必死に触ったり、つねったり… 隅なく身体を確認する。

大丈夫、生きてる!

すると今度は廊下から

「Ahhh~!!」

男の人のうなだれた声… たぶんパパさんだ。

「そんなに言うなら会わせてやるよ…」

二人の足音が徐々に近づいてくる。

何で下着同然の格好で横たわらせておくのよ!

やむを得ず掛け布団を羽織ってその場を凌ぐ。

「あ、気がついた?おはよー」

何事もなかったかのように甲ちゃんが入ってくる。

後ろには見たことがない落ち込みようのパパさんもいる。

「甲ちゃん、何か着るもの…」

「…ん?」

振り返った彼の手には、さっきまであたしが着ていたであろうドレスが

血だらけ、傷だらけの状態で握られていた。