「Sounds good, Let’s go togather!」
(いいね~、私も行くよ)

そして乗っかるパパさん。

「来んで良し!」

「一緒にいたらマスコミの恰好の的だろ?」

そういえば、マスコミはもう大丈夫なのかな。

撮影の合間にこそっと聞いてみる。

「ねぇ、マスコミはどうなったの?」

「“モデル”の詳細送ってあげたから、今頃血眼になって探してるだろうねぇ」

「え?ヤバイよ、それは!!」

甲ちゃんは淡々と答えるけど、自分だって白状したってことでしょ?

「日系三世のケヴィンくん ロサンゼルス育ちの十七才(当時の年齢) 趣味はバスケと寝ること

特技は解剖 日本語の勉強中だが漢字は書けない ちょっぴりおちゃめなAB型…って」

…おちゃめだったの、今までのあれは!?

「確かにウソはついてないよな… ついてないけど、解剖好きのよく寝る奴てヤバイ系の引きこもりじゃね?」

「そう思わせとけばいいよ。だから貴弘くんも引きこもってないで学校に行きなさいよ」

誰のせいだよ…と言わんばかりの冷めた貴の目が甲ちゃんをじっと睨んでいた。