廃屋の裏で少女が呟く。
「まさかあいつがね…。ふふっ、どうなるかなー。あの二組平気かな?」


「うわぁ…」

あまりの薄気味悪さに鳴海は声を漏らす。
もう日がでて3時間…午後7時をまわり、明るくなっても周りの木々がうっそうと茂っていた。
その廃屋はまるで入ったら何か出そうな雰囲気を醸し出していた。
なにせ町外れであるため誰も近寄らないらしい。

「行くか。」

遥斗の呼び掛けに鳴海は頷いた。
そして二人は足を踏み入れた。
ギシ…

嫌な音が響いた。

「これ…まずくない?」

「ヤバイかもしっ…」

バキッ!!

「きゃああああああああ!!!!!」
「うわああああああああ!!!!!」

そのまま二人は下へと落下していった。
二人はあまりの恐怖に気を失った。
そして、ドサッっという音が響いた。

「英治さん、なんかすごい音がしませんでした?」

「ああ。古いからなんか落ちたんだろう」

そう言って二人はさらに奥へ進む。
あるところで英治が立ち止まる。

「どうしたんですか?」

「ここ…」

英治が懐中電灯照らす。

「ひゃっ…」

そこにあったのは大きな血痕。
生々しく、それはまだ新しいようだ。

「何があったんだ?」

「わかりませんが、気を付けた方が良さそうですね。」

ギシ…ギシ…

!?

なにか重いなにかが歩いてくる。
着実にゆっくりと…

ギシ…ギシ…ギシ…ギシ…

二人は警戒して銃を構える。
そして、目の前に現れたのは…

「なに、これ…」

そこにいたのは人形だか原型しか残っておらず、たいちょうは6~8mはある真っ黒な巨大な生き物。

だがすかさず英治たちは発砲した。

パンッパンッ

乾いた音とともに怪物に命中する。

「何!?」

だが、怪物には全くと言っていいほど効いていない。
これではまずいと感じた英治は叫んだ。

「走れ!入り口まで行くぞ!」

幸い怪物は体の分速度が遅いので追い付かれることは無さそうだ。

「入り口だ!急げ小春!」

その時だった。
二人は下に穴が空いていることに気がついていなかったのだ。

「きゃああああああああ!!!!!」
「うわああああああああ!!!!!」

二人の悲鳴が響いた。
そして二人は底へと落ちていった。