制服から着替え、ベッドに腰掛けた時
ピロン♪
ケータイが、ラインの着信を知らせた。
開くと、神谷くんから。
内容は【神谷です。よろしく】とシンプルなもの。
さっそくラインしてくれたんだ!
返事を返そうと画面をタッチした時
「希咲〜」
ノックもせずに突然、お母さんが部屋に入ってきた。
まったく、一誠といいお母さんといい、なぜ私の近くの人はノックをしないのか。
「あんた、ちょっと一誠くんち行ってきてくれない?」
「え?」
一誠んちに?
「そう!実は昼間にパウンドケーキ作ったんだけどー、作りすぎたから!よろしく」
「……お母さんが自分で行けば?」
「無理よ!もう次の再放送のドラマ始まっちゃうもの!!!!」
カッ目を見開きそう言うお母さん。
再放送のドラマにかける思いが強すぎて、怖い。
「えー…でも…」
…もし一誠にあったら…