「美月、行くところも帰る所もやりたい事も無いのなら………俺の家に来ないか?」

は?
な、ななな何言ってんのこいつ!?

「こ、断る!お断りよ!」

「何故?」

「私はもう、嫌なの!人間は必ず何かを裏切る者。
だから、私は死のうとした。……なのに!!貴方がそれを邪魔した!!!」

「……フッ。そんな事を言った奴はお前が初めてだ。クックックッ
お前は、この俺が怖くはないのか?」

「あんたが誰だろうと関係ない。あたしは、人間なんか大嫌いだ!!反吐が出る!!だから、あたしに関わるな!!」

絶対に信用なんてしない!!
こいつも、あいつと同じなんだ!!


「そんなに人間が…いや、お前を裏切ったやつが憎いか?」

「ええ!!憎いわ!!あいつは父さんが、死んでから変わってしまった!!それでも、私は傍に居た!!……なのに!!あいつは……あいつは…あたしを切り捨てた!!!!あたしはあいつの事を絶対に許しはしない。だから、人間なんか信じない!」


「フッ……そうか。
だがな?俺の家にはそういう奴らばかりだったぞ?」


え?

「ど………ういう……こと?」

「俺の家には人を信じられない又は人間不信そういう類の奴らがたくさんいた。」

「何故そんな人達が貴方の家に居たの?」

おかしい……人間不信なら、この人の家になんて行かないはずだ。


「クックックッ……そう警戒するな。攫ったりした訳ではない。拾ったんだ。」

!?!?!?!?!?

「は……はあぁぁぁあぁああ!?」

拾った!?この人の人を拾ったって言った!!!!怖い!コノヒトコワイヨ((;゚Д゚)ガクガクブルブル

「うるせぇ……とにかくそういう奴らばかりだ。もう一度聞く、俺の家に来い“魅鈴"」


ドクン……

「な、名前……」

「あ?ぁあお前の名前を呼んだ事か?」

「コクコク」

「家族になる奴の名前くらい呼んでいいだろ?」

家族……
「ぅ…ぐずっ……ぅうう〜………ぅわあぁぁぁぁあぁん!!」

「泣け。今まで貯めた分、ここで流しちまえ。俺が受け止めてやる。」

「あり……がとぉ………」

それから魅鈴は10分ぐらい泣き続けていた。


「もう、落ち着いたか?」

「グスッ うん!ありがとう!」ニコッ

「おっおう////!!」

「ん???どうしたの、顔真っ赤だよ?」

「な、何でもねぇっ」

「そ?………あ、そうだ!ねぇ、あなた名前は?」

「あ?俺は、不知火 孝雅(シラヌイ コウガ)」

「不知火さんね。」