…最悪の事態が起こってしまった…

倒れ込んだハルにかけ寄りたいのをグッとこらえ、出来るだけ急いで、開きかけた扉を閉じる呪文を唱えた。

ハルほどじゃないけど、確かにものすごい邪気を感じて、一瞬気が遠くなる…

中の写真を撮るには、いろいろ装備が必要なようだ。

それからハルは、二度と連れて来ない事にしよう…

まさかここまで、邪気に敏感だとは思わなかった…

扉が閉まるのを確認してようやくハルを抱き起こすと、急いでその場を離れるため高速移動の呪文を唱えた。

目的は果たした…先生に文句を言われる事はないだろう…




「…それは大変でしたね〜」

ほほほ…と笑う先生は悠長にお茶を飲みながら、ハルに話かけた。

「…失態なんだけど…」

「ほほほ」

片手で顔をおおうと、ハルはうな垂れた。

そんな様子のハルを見て、先生は天使の微笑みで追いうちをかけた。

「入口で気を失うとは、予想外でしたね〜?深谷君」

「…」