カナリヤの役目は、しっかり果たさせてもらいますとも…

深谷君を危険な目に会わす訳には、いかないからなぁ〜

深谷君はもう一度ため息をつくと、片膝をついて壊れていないタイルに手をかざした。

それから、図書館の入口を開く時のように、言葉を唱えた。

「″フレイヤースの名の下に命じる…封印の間の扉を示せ…″」

かたずを飲んで、その様子を見守っていると…突然、その周辺が青白く長方形に光り出し、光っている部分が扉のように動き始めた。

「おぉ…」

その様子にくぎづけになった、次の瞬間…ナゼかオレは立っている事が出来なくなって、片膝を着いていた。

気分が悪いとか、そう言ったレベルじゃなくて、全身に軽い電流が走ると力が全く入らなくなっていた…

「ハル?!大丈夫?!」

深谷君の声が遠くで聞こえる…五感が薄れていくみたいだ…

思考もボンヤリとしてきて、呼吸も浅くなって…

「あぁ…もう…」

深谷君の眉間にしわを寄せた顔を最後に、オレの意識は遠のいて、ブラックアウトした…