「…という事は、思い出したんですね…」

真剣な眼差しが、ロイズを思わせますね〜

「ええ〜残念ながら…と言うべきなのですかね〜?」

深谷君は眉間に深くしわを寄せると、手で顔をおおってしまいました。

「まぁまぁ…まだそうと決まった訳ではないでしょう?どこからか、解除の呪文が出て来るかもしれませんしね〜」

「…どこからかって…出て来る保証はどこにもないでしょう…」

「まぁ、そうなんですけどね〜?ほほほ〜」

はぁ…と深谷君に、大きなため息をつかれてしまいました。

伝説を信じるならば、二つの呪文がそろえば大丈夫らしいのですが…

「その時は仕方ないと思いませんか?私達には、どうする事も出来ませんしね〜」

「…」

「そろそろ行きますかね〜」

私は暗くなってしまった深谷君にはかまわずに、車を発進させました。

「道、こっちでいいんですよね〜」

「…はい」

「深谷君〜?」

「はい?」

「今ふと思ったんですけど、今回、それはないんじゃないですかね〜?」