「すごい量じゃないですか…こうやって紙に書かれたものを見ると、迫力ありますね〜」

「ん?そうでしょ〜?僕アナログタイプでさ〜書かないとダメなんだよね〜パソコン使うと出てこなくてさ〜」

「へ〜」

感心して自分は、文字がびっしり書かれたルーズリーフの一番上のページに目がいくと、そこには『陰謀編』と題名が書かれていた。

「今度は陰謀編ですか、何か怖いですね〜」

「ん〜?そうだね〜実際…いやちょっと児童書の枠を越えちゃうかもね〜血なまぐさくなり過ぎないよう気をつけないと…」

山形さんは、茶化しながらも顔は真面目に答えた。

「見せてもらってもいいですか?」

「ん〜今はダメ〜本になったらね〜」

山形さんは書き上ったものをまとめると、ルーズリーフの空いた袋にしまってしまった。

「残念、楽しみにしていますよ〜夕飯食べますか?」

「うん、ありがとう…今日は食べて来なかったんだ?」

伸びをしたり首を回したりしながら、山形さんが聞いてきた。