「…大丈夫ですかね…」

温かいジャスミン茶を入れてくれた高田さんが、心配そうに言いました。

私は白衣をたたんでバックにしまうと、デジカメを取り出しました。

「生島君ですか?」

「はい…」

私は高田さんの方が、心配ですけどね〜

「生島君なら、心配ないと思いますよ〜?研究所に一人で行った事に、たいした理由はないと思いますし…ただ、もう少し分かりやすく告知して行って欲しい所ですけどね〜?」

デジカメの記録をチェックしながら、答えました。

「ああ、それなら良い物がありますよ」

高田さんが何か名案を思いついたらしく、押し入れの中を探ると、ホワイトボードをちゃぶ台の上に置きました。

「なるほど〜これを扉に下げておけば、誰がいつ向こうに行ったか、すぐに分かりますね〜」

私が水性のペンで、″生島君、8月26日、11時半″と、″深谷君、8月26日、16時11分″と書き込むと、高田さんが嬉しそうに笑いました。

その幸せそうな顔を見ていると、ナゼか懐かしい気がします…