「う〜ん、そうですね〜」

先生は少し考えた後、自分を見ると言った。

「深谷君、申し訳ないのですが、返却をお願いしてもよろしいですか?」

「え?でも自分は、最下層の部屋には入れませんけど…」

「ええ〜上の図書カウンターに返してくれれば、かまいませんので…私も近いうちに図書館に行くつもりなので、その時戻しておきますよ〜」

「いいですけど…先生は他にする事でもあるんですか?」

「ほほほ、さすがですね〜深谷君…でも、まだ内緒です…そのうち手が欲しくなったら言いますので、楽しみにしていて下さいね〜?」

「…」

ナゼかその先生の笑顔に、デジャヴュのようなものを感じて、気が重くなった。

ロイズの記憶がよみがえるのだろうか?良くパシらされていた頃の記憶を…

「先生、手が入り用でしたら、私もお手伝いしますので言って下さいね?」

高田さんが笑顔で申し出た。

「ありがとうございます、高田さん…では、必要になりましたらお願いしますね〜?」

「はい、喜んで!」