当たりの棒を袋に入れてポケットに突っ込むと、荷物を持たない方の手を深谷君に差し出した。

深谷君は無表情に、その手と自分の顔を交互に見ると考え込み…

「…うん」

と答えて自分の手を取ると、微かに笑った気がした。

え…何で?

「帰ろう、ハル…」

「うん…」

「今度からこっちに来る時は、もっと分かりやすく告知してから来て…」

「ははは…いざとなったら、自力で脱出するからさ〜」

「はいはい…」

「でも、迎えに来てくれると嬉しいな〜」

「…覚えておく」

「あははは〜」


深谷君のシブイ顔がおかしくて…

オレは用務員室に戻る間中、笑い続けた…