「ああ、あれか〜」

「はぁ…」

「山形さん、学校来てる?」

「ううん…」

「そっか〜昨日、朝帰りだったからな〜ははは…」

深谷君は海を見つめたまま、黙り込んでしまった。

「…昨日、学校来なかったのは、山形さんのせいじゃないからね?たんに起きれなかっただけだから…」

15時間も寝ちゃってさ〜と話している間も、深谷君は浮かない顔をしている…

「…もしかして、オレが思い出さない理由とか、思ってる?」

そう聞くと深谷君は、しばらく考えた後、答えた。

「…分からない…そうなの?」

すでにアイスは食べ終わって棒を見ると、″当たり″と書いてあった。

「あ、当たりだ」

「え?」

「アイス当たってたよ、ラッキーだな〜♪」

深谷君に当たりの棒を見せると、大きなため息をついて、良かったねと言った。

「たぶん、違うと思うなぁ…ごめんね、自分でも良く分からないんだ」

「…」

「…帰ろっか?」