「それは私が遠慮しますよ…全てを思い出した訳じゃないですからね〜?」

「充分ですよ、ポイントだけでもね!あ〜ワクワクしてきたな〜♪歴史の真実が今、明かされるんですね〜♪」

「ほほほ…おおげさですね〜」

学校のある半島を通り過ぎながら、私はまた当てもなく車を走らせる事にしました。

どうも移動している方が頭は回るようで、忘れていた部分を思い出すみたいですね〜

「…では、フレイヤース宮殿で起こった『陰謀』をお話しましょうかね〜」

「陰謀…ですか?」

「ええ、あれは陰謀だったと思います…今思えば、ですけどね〜」

私は遠い目になると、夜の闇を見つめました。



記憶はさかのぼり…ああ…私は海底の王国にいます…

時はそう…王位継承式の辺りから始まって…

いいえ、さらに時をさかのぼりましょう…



「…おそらく、この事件の発端は…」

私は、うつろな現実の中をただよいながら、話し始めました…

ああ、今なら分かります…そういう事だったのか、と…