「今は消えました…皆のおかげで」

「そうか…」

深谷少年が手首を見せながら言うと、坂神さんの表情がフッと和らいだ気がする…

もしかして意外と人情家…?

「…とまぁ、かいつまむと、この夏にそういう事がありましてね〜?山形さんが海底の王国の作者として呼ばれ、前世が見える能力の高田さんの所に集まり…そして高田さんと茶飲み友達だった私が、たまたま前世でお仲間だったという訳でしてね〜?」

ほほほと、微笑んで先生は説明を終えた。

ざっくり過ぎませんか?先生…

「…詳しく聞いていいか?先生…その山形という作家は、どうして前世の話を本にしたんだ?」

「あ〜山形さん、どうぞ〜」

「え〜いきなりですか〜?」

「その辺の話は、ご本人がした方がいいでしょう?それに、私もお聞きしたいですしね〜?」

「…では、タネ明かしを…」

僕はせきばらいを一つすると、なるべく坂神さんの鋭い視線と合わないように話しを始めた。