「…行くんですか?研究所に」

自分は深いため息とともに、たずねた。

「ええ〜すぐに戻りますので」

「一緒に行きます…魔法士の数は多いに越した事はないので…」

「あ〜オレも行くよ、修子ちゃん」

「私もご一緒しても、よろしいですか?先生」

「ええ、もちろん…では早速参りましょうかね〜?」

そう言って先生は立ち上がると、坂神先輩を台所に連れて行った。

「…だから、どこに行くというんだ?」

いら立ちを隠さずに、坂神先輩は張りぼての扉の前に立った。

「ですから海底ですよ〜?すぐですから〜」

先生にニッコリ笑って返されると、坂神先輩はひたいを押さえて苦悩した。

完全に先生のペースだ…

ハルはこの状況が楽しいらしく、始終笑顔で自分の肩に手を置くと言った。

「ワクワクするね〜」

「…まぁね…」

確かにワクワクしないでもない…

坂神先輩は記憶を思い出すだろうか…?

もし人違いだったら、本当に殺されそうだな…