「ほほほ…坂神さん、あなたの前世が誰かというお話ですよ〜？」

「はぁ？」

「高田さんは、前世が見えるという特技がありましてね〜？坂神さんの前世を見てもらった所、私達の知っている人物だったという訳です」

「…つまり、ここにいる人間は前世で知り合いだった…と？」

「はい、ご理解頂けて嬉しいですね〜」

「はっ…信じると思いますか？しかも前世で知り合いだった人間がこんなにいるなんて、出来過ぎでうさん臭い…」

坂神先輩はそう言い捨てて帰ろうとすると、先生がかまわず背中に向かって話かけた。

「…ちなみに、あなたはイースという女性の科学者でしてね〜私の奥さんでした…それから高田さんは一国の王様で、この深谷君は、宮廷の音楽教師でしてね〜」

そこで先生は、麦茶を飲んだ。

「…生島は？」

わざとハルについて、もったいつけるように言わないでいると、坂神先輩がふり向いて先生をにらみつけた。

「…座ったら？」

ハルが座るよう、すすめた。その顔は何だか楽しそうだ…