女史そっちのけで感がいにふけっていると、女史がゆっくりと近づいて来て、真っ直ぐにオレを見つめたではないか…

BGMは波の音…周りは大きな岩に囲まれていて人けなし…目の前には、美少女がジッと自分を見つめている…

やけに、いいムードな気がするけど…

「…生島、少し話をしようじゃないか…」

視線がそらされると、女史はすぐ近くの岩に寄りかかった。

「…もしかして怒ってる?」

長い沈黙が続き…耐えられなくなってオレは口を開いた。

「…何の事だ?」

「いえ、何でも…」

どうやら別れ話では、ないらしい…

「そんな事より、私はずっと確認したい事があってな…」

「何?」

「実は前々から不思議に思っていたんだが…生島を初めて見た時から、気になってしょうがない…」

「え…?」

内容に反して口調は、淡々としている…これって、口説かれているのかな…?

「はぁ…最近、いくら考えてもらちがあかないので、動いてみる事にした…」

女史は面倒くさそうに言うと、ボンヤリとつっ立ていたオレの前に来て言った。