「はぁ…まぁ思い出してしまったのなら、仕方ないですね〜」

海岸線を走らせながら、生島君の住むアパートへ向かうコースを外れる事にしました。

「あれ…道が違いますよ?」

「ほほほ…今日は少し夜のドライブに付き合って頂きましょうかね〜?」

「ははは…何だが怖いな〜」

「ほほほ…そんな事はないですよ〜?ただちょっと、まぁ色々、釘を刺しておこうと思いましてね〜」

「ははは…とりあえず、ロイズとフレアが兄妹でした〜ネタはOKですよね?そこをふせて書くのは大変そうなんで…」

「まぁ、そうでしょうね〜」

「それから…僕が生まれる前の話なんですけど、あ、ユラのですよ〜?」

「ほほほ…いったい何ですかね〜?」

アクセルを踏み込んでスピードを上げると、当てもなく車を走らせました。

山形さんはめずらしく、ためらう様子を見せた後、口を開きました。

「『王家暗殺事件』の事なんですけど…」

″ファン″という音を立てて、対向車のトラックが脇を通り過ぎました。