「悪い…」

来生に背中を押されながら自分の席に着くと、ニヤニヤした顔でミッチーこと、木村 光秀と中屋が待ちかまえていた。

「…お前、何やらかしたんだ?」

ため息混じりに、来生がオレの顔をのぞき込んだ。

「…完全放置…」

「一度も連絡取らなかった訳?メールも?」

中屋が面白そうにたずねた。

「あぁ、すっかり忘れてた…メルアドもケータイの番号も聞いてないし…あははは…」

「ふはははは〜そうかそうか、そうだったのか〜フラれるのも時間の問題だな〜?生島よ〜」

満足げに笑うミッチーに、両肩を叩かれた。

そういや、ミッチー女史のファンだったっけ…

「はぁ…何か、始まる前に終わるのもね〜」

「何かムカつくわ〜」

三人からそう言われ、パンチが飛んできた。

「あはは…」

こんな風に笑っていると、昨日までの出来事が夢のように思えた…


それから、始業式で体育館に集まった生徒の中に、深谷君の姿を探している自分に笑ってしまった。

夏休みの間、ずっと頭の中にいたのは彼女じゃなくて、深谷君だったよな〜と思うと、さらに笑えた…

前世の影響って、本当にあるのかな…?