高田さんなど、目に涙を浮かべているほどです…

生島君は泣きこそしませんが、元気がないようで深谷君が心配そうに見つめています。

しんみりとしたムードを破るように、私は車のキーを白衣から出すと言いました。

「では、帰りましょうかね〜?」

「そ、そうですね」

高田さんが、あわてて答えました。

「帰えろっか〜」

「うん…」

生島君が穏やかに笑うと、深谷君も笑って答えました。

ん…?ものすごいレアじゃありませんか?今の…気のせいじゃないですよね〜?

もう一度深谷君を見ると、いつもの無表情に戻っていました。

この夏一番の衝撃映像かもしれませんね〜?ふふふ…

そんな事を思いながら、深谷君の家に向けて車を発進させました。


…明日から、二学期です…