「…そうだ深谷君、今日元気なかった？ずっと考え事してるみたいだったけど…」

「え…」

突然の問いに自分は少し驚いて、ハルの事を見た。

大量にあった花火も全てやり終え…

落下傘を拾っていると、ハルがそばに来て聞いてきたのだ。

まさか気づかれているとは思わなかったので、すぐに返事が出来ない…

「この夏、いろいろあったもんね〜特に深谷君は」

「うん…」

「楽しかったね〜」

「うん…」

二人でこの夏休みにあった事を話しながら、浜辺に転がっている花火の残骸を拾い集めていく…

「文化祭、見に行くね〜山形さんも来るって」

穏やかに笑って、ハルが自分を見た。

「うん…山形さん、今日帰るの？」

「うん、寂しくなるね…最後に宝探しで、何か見つかると良かったんだけど…」

「…またすぐに、来ると思うよ…」

ネタを集めに…

「うん…そうだね」

嬉しそうにハルは笑うと、勢い良く言った。

「行こっか？遅くなるとお母さん心配するもんね」

「うん…」