そして疲れ切った深谷君が、ついに言った。

「…そろそろ帰りましょうか…」

「うん、そうだね…」

山形さんとオレが同意すると、修子ちゃんと高田さんが残念そうに反論した。

「え〜もう帰るんですか〜?もう少し他を探せば、何か見つかるかもしれませんよ?例えば、骨董的な何かとか…」

「そうですね、先生…食器の破片とか、花瓶の破片とか…」

宝探しがいつの間にか、発掘調査になっている…

「それは今度また、興味がある人だけで…」

山形さんが大人な意見を述べ…何とか骨董好きの二人を納得させると、研究所に戻る事にした。

″今度、絶対来ましょうね〜″

などと楽しげに語り合う修子ちゃんと高田さんとカラのリックを横目に、宝探しはむなしく幕を閉じた。



結局、収穫は宝石のカケラ一つだけ…

夏休み最後の一日が、これで終わるのか…と思いきや、まだ花火が残っていたと思い直す…

そう言えば今日一日、深谷君が何かを考えてる様子だったよな〜いつもに増して、無口だったし…

ちょっと気になるから、後で聞いてみる事にしよう…