「そっか〜じゃあ、純粋にビンボーだったんだね」

はははと笑って高田さんを見ると、うな垂れていた。

「えっと〜私腹をこやす王様より、カッコイイと思いますよ、オレ!」

「そ…そうですか?」

「はい!」

「ほほほ…財政管理は、イースに一任してたんですがね〜?」

「修子ちゃん、なら陛下のせいじゃ…」

「へ〜財政管理は、イースだったんですか」

「ええ〜」

高田さんをよそに、山形さんと修子ちゃんが前世話で盛り上がり始めた。

「…何してるの?深谷君」

さっきから静かな深谷君が、部屋の片隅にしゃがみ込むと何かを見ていた。

「うん、ちょっとこれ見て…」

そう言って深谷君はそれをつまむと、オレの手の平に乗せた。

「宝…石?」

「うん、たぶん」

それは透明でキレイな黄緑色の石で、5ミリほどの大きさのカケラだった。

「高田さん、これ何て名前の石ですか?」

オレは嬉しくなって、高田さんにその石を見せた。

興味を持った修子ちゃんと山形さんも、その石をのぞき込む。