おどけた口調ですが、言っている内容は核心を突いているじゃありませんか…

昔からカンが良い所は、変わりませんね〜

「そうですね〜山形さんは、どうお考えになりますか?」

私も笑顔で返しながら、たずねました。

「ははは…それはさっぱり分かりませんね〜情報が少な過ぎますからね〜?」

暗に情報の要求とは…

「全くですね〜ほほほ…」

そう答えると、私はどこまで話すべきかを考えながら、山形さんを置いて歩き始めました。

「先生〜そろそろ教えて頂けませんか〜?もう高田さんの前で、うかつな事を言ったりしませんから〜」

私は足早に校舎の間を通り抜けると、駐車場にたどり着きました。

その間…山形さんの質問を笑顔でかわすと、一切答える気なしを決め込む事にしました。

「そう言えば先生…高田さんが『もう大丈夫ですから、お心使いありがとうございました』って言っていましたよ〜」

「…はい?」

車のロックを解除して乗り込むと、想定外な事を言われ、思わず山形さんの顔を見てしまいました。