…オレ達がいる場所は、宮殿の宝物庫がある地下室なんだけど…

全く迷う事なく修子ちゃんは、その部屋を探し当てると、期待に胸をふくらませながら地下室へ下りて行った。

鍵さえかかっていない扉を開けると、そこは…何一つ置いていない部屋があるだけだった。

「…フレイヤースって、どんだけ財政難だったんですか?」

山形さんが高田さんにたずねた。

「え…えっと、それは…どうしてですかね?先生」

高田さんは目を泳がせると、修子ちゃんに助けを求めた。

「ほほほ…財政難だったんでしょうね〜きっと…しかしここまで何もないと、悲しくなるものですね〜高田さん」

「はい、少しは期待していたのですが…私の国政は間違っていたのでしょうか?」

しょんぼりと高田さんがうな垂れる横で、修子ちゃんが一切否定せずに微笑んでいる…

「盗難にあったとかはないの?修子ちゃん」

「それはないでしょうね〜あの日以降、この海域一帯は人が近寄れない状態になったハズですし…命がけであの混乱に乗じて盗んだとしたら、賞賛に値しますよ?」