″ドン!バシュ!パラパラ…シュルルルル…″

何が始まったのかと思うほど、多種多様な打ち上げ花火が一斉に上がり始めた。

オレ達の周り一帯が火の花で囲まれ、一瞬言葉を失う…

「これは見事ですね〜」

山形さんが見上げながら、絶賛した。

「大成功ですね、先生」

「ええ〜仕掛けた甲斐がありましたね〜」

高田さんと修子ちゃんが、ほのぼのと笑った。

もしかしたら、二人は初めから宝探しの結末が分かっていたのかもしれない…

なんて、ちょっと思ってしまった…




…さかのぼる事、数時間前…

「ガーン…」

「…カラですね〜」

「うん…」

「ですね〜ほほほ」

「…」

ガクリとうな垂れた山形さん…それから楽しげに笑う修子ちゃん…申し訳なさそうに言う高田さん…沈黙を守る深谷君…

皆それぞれの反応をして、真っ白な壁に囲まれた窓のない部屋を見つめた。