「ちょっと、ディズニーランド風を意識してみました」

高田さんが照れながら説明すると、ドラゴンの火が端から消えて、次に仕込んであった打ち上げ花火に引火した。

「わ〜お!!」

今度は五連チャンで、大玉の打ち上げ花火が一斉に打ち上がると、自然に歓声が上がった。

腹に響く音が心地良く、一発づつ色の違う花火が、五つ並んで夜空に咲く様子は見事だ。

演出が、素人のものとは思えないほど職人芸だ…

「ほほほ…導火線なら、いくらでも理科室で手に入りますからね〜?」

「いい仕事してますね〜先生」

山形さんが褒めると、修子ちゃんが答えた。

「高田さんとの合作ですよね〜?」

「はい…」

修子ちゃんと高田さんは演出の出来に、満点そうに笑い合った。

「まだまだ、これからですよ〜?」

イタズラっぽく修子ちゃんが言うと、今度は細長く吹き出す金色の火が、カーテンのように海に向かってこぼれ落ちていき…

シューという音が辺りに響き渡ると、それが終わらないうちに次の花火が連続で打ち上がり始めた。